塩は調味料として、どの家庭でもよく用いられています。実は塩にも色々な種類があり、それによって含まれている栄養素にも違いがあるということをご存じでしょうか。
使い方も多岐に渡っているため、ここでは一般的な使用方法を解説します。塩の保存方法についても注意点をご紹介しますので、長く保存して使い切れるようになりましょう。
塩に含まれる栄養素
塩には精製塩、再生加工塩、天然塩といった製法の違いによって色々な種類があります。また、原材料として化学的に作られた塩か岩塩か海塩かなどでも分類することが可能です。
大きさによる分類もできるため、販売店に行くとあまりに多くの種類があって驚いてしまうでしょう。この中でも、原材料の違いは含まれる栄養素に大きな影響を及ぼします。
一般的な食塩は塩化ナトリウム
一般的な食塩は精製塩で、化学的に精製されたものであるのが特徴です。基本的には海水を電気分解して作っており、ほとんどの成分が塩化ナトリウムになっています。そのため、含まれている栄養素はナトリウムとクロール(塩化物イオン)です。
高血圧の際に塩分を控えるようにと言われるのは、ナトリウムの過剰摂取になっている場合が多いからということも知っておくと良いでしょう。
天然由来の色々な塩の栄養素
岩塩や海塩などの天然由来の塩も主成分は塩化ナトリウムですが、ナトリウムの含有量が70%~95%くらいのものが多くなっています。他にカリウムやカルシウム、マグネシウムなどが含まれているのが特徴で、比率は原材料としてどこ由来の塩を使っているかによって異なります。
カルシウムやマグネシウムが含まれていると塩にやや苦みや深みがある味わいになるのが特徴です。
塩の使用方法
塩の使用方法として最も一般的なのは料理に塩味を付けることで、下味をつけるために食材にまぶしたりかけたりしますし、調理中に味を付けるために塩を入れることもあります。
それ以外にも塩の活用方法がありますから、確認しておきましょう。
塩漬けにすることで食材を保存できる
塩の有効活用する方法として、昔からあるのが塩漬けです。大量の塩に食材を付けると水分が失われていき、さらに高い塩濃度になることで雑菌が増殖しにくくなります。これによって、食材を長期保存することが可能です。きゅうりやワラビ、魚などがよく塩漬けで保存されている食材です。
甘みを引き出すのに塩少々
塩味を付けるだけでなく、甘みを引き出すのにも塩が使われます。お菓子や餡子などの隠し味として塩を入れるのは甘さを引き立たせるのが目的です。ほんの少量加えるだけで甘さが生きるようになりますので、料理の一工夫として使ってみましょう。
水の温度を上げるのにも塩を使える
野菜を茹でるとき、高い温度で短時間で終えたいこともよくあります。水の温度を上げるのにも塩を使うのが効果的で、沸点上昇という現象として知られているものです。ほうれん草や小松菜などのおひたしを作るときに重宝されている使い方です。
塩の保存方法
塩は常温保存可能
塩はもともと保存性が高く、常温でずっと保存することができます。ただ、湿気を吸いやすいことから密封容器に入れて乾燥剤を入れておくのが良い方法です。昔は炒った米を入れておくことで乾燥剤として使用していました。
今ではシリカゲルなどの便利な乾燥剤が市販されていますから、容器の大きさに合わせて選んで入れておきましょう。
塩を使いこなして料理をおいしくしよう
塩は料理の基本調味料としてよく使われており、湿気にさえ気を付ければ長期保存ができます。種類によって栄養素も異なり、ナトリウムだけでなくカリウム、カルシウムやマグネシウムが豊富な塩もあります。
使用方法も塩味を付けるだけでなく、塩漬けによって保存性を高めたり、甘みを引き出したりするなど多岐に渡りますので、上手に使いこなして料理をおいしくしましょう。