夏は暑くて食欲が減退する人が少なくありません。つい冷たいものばかりに手がのびておなかを冷やしてしまい、体調を崩す恐れもあります。特に野菜の摂取がおろそかになりがちで、栄養の偏りが心配な季節だと言えるでしょう。

夏は野菜が豊富に採れるシーズンであり、工夫して調理すれば十分栄養を摂ることができます。ここでは夏野菜の種類やその栄養素を紹介し、手軽に美味しい料理を作れる調理法についてもご紹介します。

生のままサラダで美味しく食べられる夏野菜

加熱せずに食べられる夏野菜の代表的なものとして、きゅうり・トマト・キャベツが挙げられます。いずれもサラダにしてお酢のきいたドレッシングをかければ、美味しく食べられます。

きゅうりは塩もみにしたり、味噌と和えて食べるのも夏らしい食べ方と言えるでしょう。きゅうりを構成する95パーセントの成分は水分で、βカロチン・ビタミンC・カリウムなども少量含んでいます。

カリウムは夏の暑さでほてった体を内側から冷やす効果があると言われており、熱中症の予防に欠かせません。また、カリウムはナトリウムを排出するため、血圧を下げる効果も期待されます。

トマトのすっきりとした食感は暑い夏に合う野菜の特徴であり、緑黄色野菜の中でも比較的一度にたくさん摂取しやすい野菜と言えます。トマトなら緑黄色野菜の1日当たりの目標摂取量とされる120グラムを摂ることもさほど難しくありません。

トマトにはビタミンEの100倍と言われる強い抗酸化作用を持つリコピンが含まれています。リコピンは生活習慣病の原因となる活性酸素を取り除く働きがあり、老化防止にも役立つでしょう。他にはβカロチンやビタミンCも多く含まれています。

きゅうりと一緒にキャベツも酢漬けにすれば、さっぱりとした味わいで食欲が低下した人も食が進むでしょう。キャベツにはビタミンCやKをはじめ、キャベジンと呼ばれるビタミンUが多く含まれています。

食欲を増す夏野菜の炒め料理

イタリア料理に欠かせないズッキーニは、その形がきゅうりに似ているように見えますが、実はかぼちゃの仲間です。ズッキーニは低カロリーで糖質が少ない代わりに、カロチンやビタミンCを多く含みます。

豚肉やピーマンと一緒に炒めれば、ご飯が進むでしょう。ピーマンには、トマトの4倍ものビタミンCが含まれています。肌の健康維持に役立つビタミンAも多く、夏風邪予防にも有効です。ピーマンには、ピランジンという血液をさらさらにする栄養素も含有されています。

ナスはレシピが多く、煮びたしにしても焼きナスにしても美味しく食べられますが、味噌と醬油をからめて炒めると独特の風味が生まれて食欲をそそります。ナスには胃酸分泌を促進するコリンという物質があり、食欲増進に役立ちます。

ナスの紫色の色素はナスニンと呼ばれるポリフェノールの一種で抗酸化作用が強く、生活習慣病予防にも有効です。

柔らかく茹でたり蒸したりすると美味しい夏野菜

夏の食卓にしばしば登場する枝豆はたんぱく質と脂質が多く、おつまみとしても人気がある夏野菜です。βカロチン・ビタミン類・葉酸も多く、健康食品として重宝されています。枝豆を美味しく食べるためには、茹ですぎないようにしましょう。少しでも茹で時間が延びるとふやけてしまうことがあります。

とうもろこしも糖質やたんぱく質が多く、おやつとしても愛されていますが、ビタミンB1・B2・Eなども豊富に含んでいます。また、サツマイモの4倍もの食物繊維があるため、腸を活性化したい人には柔らかい茹でとうもろこしがおすすめです。

とうもろこしは網で軽く焼き上げても香ばしい匂いが魅力的で、一度に何本も食べたくなる夏野菜です。ただし、とうもろこしは収穫と同時に味がどんどん落ちていく野菜ですから、美味しく食べるためには収穫後すぐ調理をすることが欠かせません。

夏はスイートコーンが多く市場に出回っており、軽く茹でて野菜サラダに入れると食感にアクセントが付いて他の野菜の味も引き立てます。

夏バテに備えて積極的に夏野菜を摂ろう!

健康に必要な栄養素を含む夏野菜には、他にもオクラ・インゲン・きくらげなどが挙げられます。夏バテで胃が弱っている時はつい食が細くなって体力が落ちてしまいがちですから、体を内側から冷やし、食欲を増進する作用のある夏野菜を積極的に摂るようにしましょう。

そうすれば、他の食材も箸が進むようになり、バランスの取れた食事が可能になって健康的な生活が送れるはずです。