豊富な栄養素とともに体に良い影響を与えてくれるヨーグルトは、日頃の健康維持のための食生活に手軽に取り入れられる使い勝手の良い食品の1つです。

この記事ではヨーグルトに含まれる栄養素やそれが体にもたらす効果をはじめ、そのまま食べることの多いヨーグルトを料理に活用する方法と適切な保存方法もご紹介します。ぜひ参考にしてください。

ヨーグルトの栄養素

ヨーグルトは牛乳や脱脂粉乳などを原料に用い乳酸菌で発酵させた食品です。ヨーグルトには牛乳の栄養に加え、乳酸菌による体への良い効果が期待できます。

牛乳に豊富に含まれる栄養素として知られるカルシウムは、ヨーグルトにも豊富に含まれています。さらにヨーグルトの場合、カルシウムが乳酸と結びつくことで乳酸カルシウムが生成され、カルシウムの吸収が促進される効果があります。

またヨーグルトに含まれるタンパク質は乳酸発酵によって分解される特徴があるため、カルシウムと同様に消化吸収の効率が高まります。牛乳を飲むとお腹の調子が悪くなる人は、牛乳に含まれる乳糖という成分を分解する酵素の働きが弱い体質であることが少なくありません。

一方、ヨーグルトに含まれる乳糖はその3割程度がすでに分解された状態であるため、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロするという人でも多くの場合安心して食べることが可能です。

ヨーグルトが健康に与える効果

ヨーグルトは胃液の分泌や腸の働きを活発にする効果があるため、食物の消化や栄養素の吸収を助ける作用が期待できます。ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、乳酸や酢酸を生成する特徴があります。

こうした成分は腸の悪玉菌を抑制する作用があるため、腸の調子を整えることにつながり、便秘や軟便の解消に効果的です。また、乳酸菌の働きとして、免疫力の増進効果も挙げられます。この効果は癌や様々な感染症に対する抵抗力が高められるという研究結果があり、健康維持に役立つ食品として、その効果が証明されています。

乳酸菌の働きは乳酸菌が生きた状態で腸に届く必要がありますが、すべての乳酸菌が生きたまま腸に達するわけではありません。しかし乳酸菌が生きていなくても、健康に良い影響をもたらす効果があります。

例えば免疫を調節する機能を高めたり、高すぎる血圧を下げるのに役立つ効果があります。血圧を正常値に近づける作用は、乳酸菌が血液中に含まれるコレステロールを減少させる効果が影響していると言えます。

ヨーグルトを料理に活用する方法

ヨーグルトはそのまま食べたり、デザートとして果物などと一緒に食べることが一般的ですが、料理に活用する食べ方もあります。例えば肉料理のソースにヨーグルトを加えることで脂が気になる料理もさっぱりと食べられますし、魚料理のソースとしても活用が可能です。

発酵食品であるヨーグルトは同じく発酵食品の味噌との相性が良いため、合わせ調味料として鶏肉や豚肉に塗って焼くだけでもコク深い食欲をそそる味わいにしてくれます。

さらに鶏肉を使った料理ではヨーグルトを使った煮込み料理にしてもおいしく食べることができます。ヨーグルトは肉の繊維を柔らかくする効果があるため、食べやすくジューシーに料理を仕上げるのに役立ちます。

ヨーグルトを使用することで料理の味わいが全体的にまろやかになる効果も期待でき、加えて、臭みのある食材の臭い消しにも効果的です。

ヨーグルトの保存で気をつけること

ヨーグルトが入った容器を開けたとき、水分が浮き出ていることがあります。この水分は乳清と呼ばれる成分であり、栄養素が豊富に含まれているヨーグルトの一部です。乳清が浮き出ていても栄養素に変化はないため問題ありませんが、ヨーグルトの食感が損なわれる原因になることもあります。

ヨーグルトは振動によって乳清が浮き出る特徴があるため、冷蔵庫で保存する際は、開閉の振動が伝わりやすいドアポケットに入れることを避けるとよりおいしい状態でヨーグルトが食べられるでしょう。

またヨーグルトを冷凍保存すると元の状態に戻すことができなくなり、食感や風味を損なうため、冷蔵で保存することが大切です。

ヨーグルトは様々な食べ方ができる健康の味方

ヨーグルトには腸の調子を整える効果をはじめ、体に嬉しい影響をもたらす様々な栄養素が豊富に含まれています。体質により牛乳が苦手な人でも、ヨーグルトであれば安心して食べられる場合があるなど幅広い人が食べられるのもヨーグルトの魅力です。

ヨーグルトは料理にも活用でき、食生活への取り入れ方も簡単です。さらに、冷蔵庫での保存方法を少し意識するだけで、食感や風味が豊かなヨーグルトを味わうことができます。